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Princeton65 Mods 4 [Guitaramp]

さてそれでは、基板上の部品を変更していきます。基板上の幾つかの部品のハンダを取り去り、新しい部品をハンダ付けするのですが、ここで、ハンダをきれいに取り去る事が重要になります。ハンダを取るには、ハンダ吸い取り機を使います。

このハンダ吸い取り機も、ピンからキリまで有りますが、実用に耐えるものはある程度お金が掛かります。
安いものでは、手動ポンプ式がありますが、これは実用にはなりません。アンプの自作や改造には、電動ポンプ式のハンダ吸い取り機が必要です。
昔1970年代はじめにはプロの製造の現場でも手動式を使っていたのですが、(と言うかこれしか無かった)80年になるころには工場のラインの補修部やアフターサービスでは電動ポンプ式が使われるようになります。
振り返ってみると、昔の大ざっぱな設計のベーク片面基板の補修では、手動ポンプ式でもなんとかハンダは吸い取ることができましたが、密度が高く、スルーホールや銅箔も薄くなったような両面基板では電動ポンプ式でないと、失敗する確率が高くなり、手動ポンプ式では時間ばかり掛かって、やってられない事態になりました。
ハンダを溶かして、吸い取るという作業は、できるだけ手早く短時間で、しかも1回で、終わらせる必要があります。ハンダを溶かしている時間が長いと、プリント基板の銅箔が溶けて薄くなって、もろくなったり、無くなってしまったりするのです。このような事が起こらないためにも、良いハンダ吸い取り機が必要です。
余談ですが、1980年ころのM社JCM800シリーズの基板の銅箔は脆弱でした。ジャックやポット交換等でハンダを吸い取ると、銅箔がペラペラと基板から剥がれるのでした。長い仕事の経験の中でも、他社ではこんな弱い基板は見たことが無いです。1回ではなく複数回経験しています。
結果として、ハンダ吸い取りは最短時間で行い、部品の交換後に基板パターンをメッキ線で補強する、という事になりました。こんな基板に、手動ポンプ式しか手段が無かったら、もう絶望です。

どうでも、「手動式で何とかしろ」という事なら、むりやりに何とかできない事もない?ですが、作業する箇所が多くなると、それに掛かる時間と労力も膨大になり、それなりの超人的な技術も必要になります。やはり、普通の人は電動ポンプ式を使うべきだと思います。
prnc65-v.JPG
私のはもう30年くらいたつ旧式ですが、主要部品を交換しながら、今でもちゃんと使えます。新品で買うと数万円はしますが、それだけの価値は十分にあります。
バカみたいに高いコンデンサや、電線を買うくらいなら、ハンダ吸い取り機にお金を掛けましょう。

とは言え、何とか成らないか?と言う人のために
手動式で作業をするやり方
このダイナタッチ・シリーズのアンプの基板はコンポジット、別名紙エポキシ、という片面基板を採用しています。片面基板なら、ちょっとの工夫で手動ポンプ式ハンダ吸い取り機で、何とか部品交換をすることができます。
その方法
1 まず、目的の部品、これの足をニッパで切ります。もうこの部品は使いません。
2 次に基板裏側で、ハンダを、ハンダこてで溶かして、部品の足の残りをピンセットでつまんで撤去します。
3 次に、このハンダを、吸い取り機で吸い取ります。
以上の3ステップですが、特に2は、手早くやってください。

注 ただし、上記の方法が使えるのは抵抗とコンデンサくらいの小さな単純な形のリード型部品に限ります。Princetone65の例で言えば、ポットの取り外しは、手動ポンプ式ではたぶん不可能です。プリント基板のパターンを壊してしまうリスクが高いです。

電動ポンプ式ハンダ吸い取り機では、この工程の1と2を省略するできます。その上で、3の工程も素早く、きれいにする事ができます。
特に両面基板のスルーホールの中に残ったハンダを除去するのは、もう電動ポンプでないと無理です。またビンテージのフェンダーアンプのファイバー基板のハトメに入ったハンダの除去も、電動ポンプでないと無理です。それから50年代、60年代のラグ板に部品を組んだ真空管アンプの修理等では電動ポンプ式は必要です。

ハンダ付けの指南書
昔、1970年ころ?CQ出版から「実装技術」というありがたい本が出ておりまいした。もちろん今では絶版です。また、「初歩のラジオ」というこれまた初心者にはありがたーい雑誌もありました。これも絶版。
そのかわりに、今日では雑誌「トランジスタ技術」に時々「ハンダ技術のこつ」のような特集記事が毎年のある時期に出ているようです。興味のある人はネットで調べて、もし本屋さんに出た時に買うと良いでしょう。

どんどん長くなってしまう。
つづく

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