SSブログ
前の10件 | -

Princeton65 Mods 5 [Guitaramp]

基板の部品を交換します。

R59 47Kを15Kに交換します。
prnc65-a.JPG 

C8 2200pFを1000pFに交換します。パート1で470pFに交換する計画でしたが、実は改造後の試験で今イチで、1000pFにしました。
prnc65-i.JPG

ポットR8とポットR9を取り外します。特にR9は、この後で使うので、きれいに取り外します。
ポットR8(TREBLE)の場所に、取り外したR9の50KBを取り付けます。
ポットR9(BASS)の場所に、アルプスの9型ポット50KAを取り付けます。
prnc65-t.JPG

prnc65-u.JPG
アルプスの9型ポットは、千石電商で売っていました。このポットとオリジナルのポットは、写真のように形も大きさも違います。しかし、検討の結果、ちゃんと使えることが分かりました。
しかし、アルプスのは基板に取り付けることができません。そこで、基板にはリード線を介して取り付けて、ポットはシャシにナット締めで取り付けます。軸の長さが、5ミリ程度足りませんが、ノブを付けてみると、遜色なく使用できます。
prnc65-w.JPG

prnc65-x.JPG

このような形でポットの交換ができました。
オリジナルの回路は、トレブルに50K30C、ベースに50KBが使われていました。
これを、トレブル50KB、ベース50K15Aに交換したことになります。
この詳細については、長い話になるので、別の機会に説明したいと思いますが、この変更でアンプは使いやすくなりました。

その他に、C5を変更しました。
1回目の試験で、リバーブも正常になり随分と使いやすくなったのですが、低音が弱い事が分かりました。スピーカーも弱いのですが、キャビネットが小さい事も低音不足の原因です。
これを改善するには、スピーカーを交換するのが良いのですが、17,000円のアンプにお金をかけるのも、もったいない。そこで、トーンコントロールを少し変えることにしました。
C5 0.22uFを、0.1uFに変更します。
この結果、トーンコントロールの周波数特性は、スーパーリバーブと同じになります。とても具合が良いです。

以上の変更で、Princeton 65 は、使えるようになりました。めでたしめでたし。
安いし、軽いし、最低限の音量もあるし、しばらく現役で使います。
おわり


nice!(0)  コメント(0) 

ACE TONE SA-3 その4 [Guitaramp]

すっかり SA-3 の事を忘れている今日このごろです。
さて、どっから再開するか。

パワートランジスタはカンタイプで鉄シャシに直留めされています。鉄シャシをヒートシンクにしています。これじゃ心配なので、アルミ板でヒートシンクを作ります。手元に2mm厚の歯切れが有ったので、これを加工してヒートシンクを作ります。シャシの孔に合わせて、トランジスタが取り付けられるように孔を開け、少し折り曲げます。
sa3-7.JPG
大きな方が、パワーアンプ終段用で、小さい方はドライバー用です。

もう一つ、修正がありました。パワートランジスタの1個の固定ネジが、シャシの孔の縁に異常に接近しています。このネジはトランジスタの外ケース(エミッタ)と同じ電位になる通電部で、一歩間違えると、シャシにショートします。あぶねー。
昔と言わず今と言わず、結構このような事は多いです。シャシの孔を削っておきます。
sa3-8.JPG

このヒートシンクをシャシに取り付けます。
sa3-18.JPG

パワートランジスタの取り付け
パワトラは、マイカ板を介してシャシに取り付けられていますが、マイカ板に塗ってあるシリコンペーストが乾燥して固まっています。これは水分を含んでべとべとゲル状になってないと熱の伝導ができないので、やり直します。まず、マイカ板をきれいに清掃して、新しくしりこんぺーストを塗ります。
これを、今度はシャシではなく、アルミのヒートシンクに取り付けます。
sa3-15.JPG

sa3-16.JPG

パワートランジスタ取り付け後
sa3-19611b.JPG
ヒートシンク真ん中から出ているのはスピーカーコードです。あまり良い方法ではありません。オリジナルのコード引き出し口がここだったので、そのまま作りました。まあ、売り物には不的確ですが、自分で使うには良しとします。

sa3-7b06nb.jpg
写真は、シャシ内側から見たものです。左側の上下にある四角い基板のようなものが、パワートランジスタ取り付け用のソケットです。

つづく  いつまで続くだべ

林クラフト ホームページ
http://www002.upp.so-net.ne.jp/hayashi_craft/







nice!(0)  コメント(0) 

Princeton65 Mods 4 [Guitaramp]

さてそれでは、基板上の部品を変更していきます。基板上の幾つかの部品のハンダを取り去り、新しい部品をハンダ付けするのですが、ここで、ハンダをきれいに取り去る事が重要になります。ハンダを取るには、ハンダ吸い取り機を使います。

このハンダ吸い取り機も、ピンからキリまで有りますが、実用に耐えるものはある程度お金が掛かります。
安いものでは、手動ポンプ式がありますが、これは実用にはなりません。アンプの自作や改造には、電動ポンプ式のハンダ吸い取り機が必要です。
昔1970年代はじめにはプロの製造の現場でも手動式を使っていたのですが、(と言うかこれしか無かった)80年になるころには工場のラインの補修部やアフターサービスでは電動ポンプ式が使われるようになります。
振り返ってみると、昔の大ざっぱな設計のベーク片面基板の補修では、手動ポンプ式でもなんとかハンダは吸い取ることができましたが、密度が高く、スルーホールや銅箔も薄くなったような両面基板では電動ポンプ式でないと、失敗する確率が高くなり、手動ポンプ式では時間ばかり掛かって、やってられない事態になりました。
ハンダを溶かして、吸い取るという作業は、できるだけ手早く短時間で、しかも1回で、終わらせる必要があります。ハンダを溶かしている時間が長いと、プリント基板の銅箔が溶けて薄くなって、もろくなったり、無くなってしまったりするのです。このような事が起こらないためにも、良いハンダ吸い取り機が必要です。
余談ですが、1980年ころのM社JCM800シリーズの基板の銅箔は脆弱でした。ジャックやポット交換等でハンダを吸い取ると、銅箔がペラペラと基板から剥がれるのでした。長い仕事の経験の中でも、他社ではこんな弱い基板は見たことが無いです。1回ではなく複数回経験しています。
結果として、ハンダ吸い取りは最短時間で行い、部品の交換後に基板パターンをメッキ線で補強する、という事になりました。こんな基板に、手動ポンプ式しか手段が無かったら、もう絶望です。

どうでも、「手動式で何とかしろ」という事なら、むりやりに何とかできない事もない?ですが、作業する箇所が多くなると、それに掛かる時間と労力も膨大になり、それなりの超人的な技術も必要になります。やはり、普通の人は電動ポンプ式を使うべきだと思います。
prnc65-v.JPG
私のはもう30年くらいたつ旧式ですが、主要部品を交換しながら、今でもちゃんと使えます。新品で買うと数万円はしますが、それだけの価値は十分にあります。
バカみたいに高いコンデンサや、電線を買うくらいなら、ハンダ吸い取り機にお金を掛けましょう。

とは言え、何とか成らないか?と言う人のために
手動式で作業をするやり方
このダイナタッチ・シリーズのアンプの基板はコンポジット、別名紙エポキシ、という片面基板を採用しています。片面基板なら、ちょっとの工夫で手動ポンプ式ハンダ吸い取り機で、何とか部品交換をすることができます。
その方法
1 まず、目的の部品、これの足をニッパで切ります。もうこの部品は使いません。
2 次に基板裏側で、ハンダを、ハンダこてで溶かして、部品の足の残りをピンセットでつまんで撤去します。
3 次に、このハンダを、吸い取り機で吸い取ります。
以上の3ステップですが、特に2は、手早くやってください。

注 ただし、上記の方法が使えるのは抵抗とコンデンサくらいの小さな単純な形のリード型部品に限ります。Princetone65の例で言えば、ポットの取り外しは、手動ポンプ式ではたぶん不可能です。プリント基板のパターンを壊してしまうリスクが高いです。

電動ポンプ式ハンダ吸い取り機では、この工程の1と2を省略するできます。その上で、3の工程も素早く、きれいにする事ができます。
特に両面基板のスルーホールの中に残ったハンダを除去するのは、もう電動ポンプでないと無理です。またビンテージのフェンダーアンプのファイバー基板のハトメに入ったハンダの除去も、電動ポンプでないと無理です。それから50年代、60年代のラグ板に部品を組んだ真空管アンプの修理等では電動ポンプ式は必要です。

ハンダ付けの指南書
昔、1970年ころ?CQ出版から「実装技術」というありがたい本が出ておりまいした。もちろん今では絶版です。また、「初歩のラジオ」というこれまた初心者にはありがたーい雑誌もありました。これも絶版。
そのかわりに、今日では雑誌「トランジスタ技術」に時々「ハンダ技術のこつ」のような特集記事が毎年のある時期に出ているようです。興味のある人はネットで調べて、もし本屋さんに出た時に買うと良いでしょう。

どんどん長くなってしまう。
つづく

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

Princeton65 Mods 3 [Guitaramp]

シャシ材質は1.6mm厚のアルミニウムです。豪華!鉄シャシよりは高価なはずです。
このアルミシャシのおかげで、65Wのアンプにもかかわらず、大きなヒートシンクがありません。アルミシャシ全体がヒートシンクになっています。フェンダーのダイナタッチ・シリーズと呼ばれるアンプはみんな同じアルミシャシを採用しているようです。
鉄は蓄熱作用があるので、鉄シャシの場合、シャシ自体のコストは下がりますが、大型アンプでは大きなヒートシンクが必要になり、結局同じくらいのコストがかかります。

分解
まず、フロントパネルのノブを取り外します。引っこ抜けば取れます。
すると、ポットの軸の根本に黒いスペーサーが見えます。これを引っこ抜きます。
こういう、細かい部品はなくさないよう注意してください。無くすと、本当に大変です。
prnc65-o.JPG
次にフロントパネルのジャックのナットを緩めて、外します。

次に、正面から見て右側のワイヤリングが束になって、ごちゃごちゃしている部分に取りかかります。
prnc65-c.JPG
上から見たところです。

prnc65-d.JPG
右横から見たところです。

ここから先は、もう後戻りできない領域です。自信が無い人は、やめましょう。

この束になったワイヤリングは、それぞれがファストンクリップで基板と電源スイッチに接続されています。それを1本づつ、取り外します。
この時に、必ず絵を描いて記録していきます。クリップの位置、名前、電線の色など間違えないように、正確に記録します。
もし、Service Manualをダウンロードできれば、記録は不要です。しかし、記録を正確に取る習慣を付けると、だいたいどんなアンプでも、分解して元通りにするくらいの事はできるようになります。

まず、電線を束ねているインシュロック・タイをニッパで切ります。それから、絡まっている電線を整理して、手前から順にクリップを外していきます。
prnc65-l.JPG

パイロットランプは、リード線をつまんで、引っ張ると、ホルダーからLEDが出て来ます。はめ込み式になってます。
prnc65-m.JPG

電源スイッチの上側の端子、白と黒の2本、もクリップを抜きます。
基板上のスピーカー端子、白と黒の2本、もクリップを抜きます。
基板左側のリバーブ・タンクへのコネクタ、赤と白、も抜きます。
これで、基板上の全てのワイヤリングが外されました。

次に、シャシを裏返すと、3本のネジがあります。ヒートシンクを接着するネジです。これを緩めて、取り外します。
prnc65-f.JPG

シャシを再び表にして、基板を固定しているプラスネジを取り外します。全部取ると、基板は少しの力で簡単に動くようになります。
もし、びくともしない時はネジの取り忘れがないかよく確認してください。

電源トランスの下側、パワートランジスタの下に、ヒートシンクのアルミのブロックがあります。これをシャシ後方へずらすように移動すると、外れます。写真は基板を外した後のものです。このブロックが基板したにあります。
prnc65-q.JPG

注意して、基板を、フロントパネルから後ろに向かって押していくと、ポットの軸が、フロントパネル孔から外れます。この時に、基板上の部品が、電源トランスに引っかかる事がありますが、無理に押し込まないで、やさしく扱ってください。かと言って、ある程度の力は必要です。こつが要ります。

ポットの軸が、孔からはずれたら、基板を左方向へずらします。
prnc65-p.JPG

取り外した基板
prnc65-r.JPG

さあ、どうしましょ。
つづく
nice!(0)  コメント(0) 

Princeton65 Mods 2 [Guitaramp]

早速、訂正。今では、回路図はフェンダーのサイトには無いようです。フェンダーもケチになりました。
まあ、必要な人はいろんなサイトがあるので、Survice Manual を探してみましょう。

自己責任の話
初めに、この話をしておくべきでした。この私のブログには、間違いも、時代遅れの価値観も含まれています。何しろ、無我夢中でやってますので、見落としも勘違いも有りです。信じる信じないは自己責任でお願いします。
もし、読者がご自身で作業される場合は、どんな結果が出ても、全て自己責任でお願いします。
何が起きても、私は知りません。
これは、何十年も前から続く、自作の掟です。

さて、シャシを取り出します。
まず、アンプ裏側から、スピーカーの配線、スピーカーの端子からクリップを外します。
次に、リバーブタンクのコネクタを外して、キャビネット裏から見て、右側面にあるコードクランプを留めてあるネジを外します。

シャシは6本のネジで、キャビネットに固定されています。4本は天面に有り、2本は側面にあります。キャビネット側面は、前側と後側に2本のネジが見えます。前側はバッフルを固定するネジなので、これは触りません。後ろ側のネジがシャシ固定ネジです。
キャビネット側面後側のネジを外します。左右の側面に1本づづ、計2本です。
天面のネジを外しますが、一度にやると、シャシが落ちてしまいますので、順にやります。
まず、キャビネット前側の2本を外して、次にキャビネット後ろから見て右側のネジを外します。
つぎに、片手でシャシを落ちないように支えながら、残った最後の1本のネジを外します。
ネジが取れると、シャシをゆっくりとキャビネットから引き出します。
ああ、くたびれる。
取り付けの時は、逆をやります。

prnc65-h.JPG
取り外したシャシの写真です。

スピーカーについて
このアンプは安物なので、着いているスピーカーもチープです。12インチとは思えない小さいマグネット、でもこの小さいマグネットが幸いしています。
エミネンスでは、10インチでこの貧相なマグネットがよく使われていますが、たぶんこのマグネットとボイスコイルは75W用かと思います。性能的には不足はありません。
あくまでも一般論ですが、マグネットやボイスコイルが小さいと、音圧は小さくなりますが、きれいな音が出ます。過去の名器では、ジェンセンのP12Rや、セレッションのアルニコブルーやグリーンバック、他にもシルバートーンやグレッチで使われたローラのスピーカーなどがあります。
名器と比較してはこのアンプの12インチスピーカーは少し可愛そうですが、まあ安物の中では見込みがあります。使ってみましょう。
prnc65-k.JPG

つづく




nice!(1)  コメント(0) 

Alnico5 と Alnico2 その2 [Pickup]

もう少しアルニコ2とアルニコ5について説明しましょう。
下記に実際のストラトピックアップで測定した値を表します。
数値の単位はガウスです。サンプル例は、左から6弦、5弦、4弦、3、2、1弦の順で、+はN極、ーはS極を表します。測定は自作ガウスメーターによります。測定値は正確ではありませんが、相対的な比較は十分に可能です。

gmt9501d.JPG

サンプル1
アルニコ2、ー590、-470、-680、-560、-460、-500

サンプル2
アルニコ2、-640、-480、-700、-550、-440、-490

サンプル3
アルニコ2、+440、+550、+700、+590、+490、+520

サンプル4 少し減磁したもの
アルニコ5、-1130、-1200、-1070、-1080、-1150、1160

サンプル5 サンプル4をもう一度着磁したもの
アルニコ5、-1450、-1420、-1440、-1340、-1520、-1570

いかがでしょうか。けっこう格弦で数値はバラついています。同じ材質で同時に着磁したものでも、このくらいのばらつきはよく有ります。以上のサンプルは全部自作品ですが、メーカー製のピックアップを測定しても同じように数値のばらつきが見られます。
まあ、磁石というものは、こんな物だと思います。

さて、ざっと見て、アルニコ2とアルニコ5の磁力の強さの傾向が分かります。磁石メーカーの資料等から考えると、アルニコ2はもう少し強くても良いのですが、これが実測値なので、まあこんなもんか、と思います。
磁石としての強さでは、アルニコ2はアルニコ5の約半分となります。ピックアップの磁力は、どうしても弦を引っ張ってしまい、この力は弦の正常な運動の妨げになります。この妨げる力が2倍も違うという事は、大きな違いになります。

もう一つ、サンプル4と5の違いです。サンプル4は以前に着磁してあったもので、少し着磁がいい加減でありました。結果としてアルニコ5の減磁されたのと同等になっています。
これを改めて着磁し直すと、サンプル5のようになります。サンプル5の数値は、一般に市販されているアルニコ5を使用したストラト・ピックアップの新品と同等です。
さらに人工的に減磁すると、サンプル4よりももっと小さな値にする事もできます。ただし、あまり小さくすると、今度は磁石としての安定性が損なわれます。実用の範囲で、どのくらいまで弦磁ができるのか、もう少し研究してみます。

以上のデーターは、ストラトピックアップでの数値です。このような磁石が直に弦に向かって露出しているピックアップでは、磁石の材質の違いも直接出てきます。
それに比べると、磁石が露出しないハムバッカーでは少し違う傾向となります。

また、注意しておきたいのは、ピックアップの表面に出てくる磁力の強さは、ピックアップの感度とは、多少の相関はありますが、直接の比例関係には無いという事が言えます。ですからアルニコ5はアルニコ2よりも2倍も磁力が強いですが、ピックアップの感度はほとんど同じです。まあ少し強いくらいです。

つづく


nice!(0)  コメント(0) 

Princeton65 Mod [Guitaramp]

prnc65-y.JPG
Fender Princeton65 安くていいアンプですが、ちょっと問題が有って改造します。
1年半くらい前にヤフオクでこのアンプを買いました。丁度安くて、軽くて、ある程度の音量がある、そして分解修理が簡単なアンプを探していたら、これに当たりました。値段は約¥17000で、外観はとてもきれいでした。少し使っていると、欠点も見えてきました。

Princeton65 は、フェンダー社の2003年のカタログに出ているアンプです。約16年前のアンプ、という事になります。フェンダー社の中でも、当時の安物ラインの中でちょっと上質の、という位置づけでしょうか。出力は65W、12インチスピーカーが1発、本当に65W出るので大したものです。ただし、スピーカーは安物です。このようなアンプで、まあ無理を承知で言えば、デラックスリバーブの代打くらいはできます。2チャンネルですが、ドライブ・チャンネルは使いません。クリーンのみ使って、歪みはエフェクターを使います。

さて、問題の欠点は以下です。
1、小音量ではリバーブの効きが悪い。というか、ほとんど効かない。
大きな音ではそれなりに出てくる。不便。
2、クリーン・チャンネルのゲインが高すぎて、小音量で非常に使いづらい。
とにかく、小さいアンプのくせに、たぶん少年が体育館で爆音で鳴らす、ような設計のコンセプトです。
3、トーンコントロールの変化カーブが変。なんか1から2くらいに上げても派手に変化する感じ。
3くらいに上げると、もう昔のアンプの7か8くらい上がってる感じ。

このように音が悪いという事は無いが、使いにくいのです。これはたぶん、このアンプを売りたい対象が、私のような老人ではなく、とにかく大きな音でわーっと鳴らしたい少年たちのために忖度したアンプではないかと思います。まあ、時代の流れ、とは言いつつもう16年も前の2003年の話である。
おじさんが使えるように直してあげよう。

ネットで回路図を入手します。フェンダーのサイトにあります。
以下の箇所を変更します。
1、抵抗R59を15Kにします。これでプリアンプの出力が下がり、相対的にリバーブのドライブレベルを上げることができます。
2、コンデンサC8を470PFにします。これは2200PFだったので、ブライトスイッチがONになりっぱなし状態でした。
3、ポットR8とポットR9を変更します。クリーン・チャンネルのTREBLEとBASSです。トーンコントロールのカーブを変更します。少々面倒ですが、
ポットR8とR9を外します。R8の場所に、R9を外した部品(B50K)を取り付けます。R9の場所には、新しく調達したアルプスのポット(50KA)を取り付けます。

つづく



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

Alnico5 と Alnico2 その1 [Pickup]

pu9507b2.jpg
今までにアルニコ5は実に沢山のピックアップに使われてきたので、当然ながら使われた音楽も沢山有り、その中には名曲が沢山有ったりします。そうすると、自然とアルニコ5は良い磁石と思われてきました。私も長い間信者でありました。
ところが、ストラトキャスターの実体験ではちょっと違っています。ネック側ピックアップは極力低くセットしないと、6弦はポールピースに引っ張られて、ハイポジションで変な振動をします。ストラト最大の弱点です。
ジミヘンのような天才は別として、普通ストラト弾きは、この対策に追われます。ネックを真っ直ぐにして、ブリッジを調整して、ピックアップを下げて、最後はやはりビンテージの本物を買うしかないのか?それとも6弦のハイポジションは弾かないのか?
実は、この問題はアルニコ2のピックアップを採用する事で解決します。音が変わる? そういう事もありますが。その事も帳消しになるくらい音が良くなります。

アルニコ磁石は幾つかの種類があり、主なものではアルニコ2、アルニコ3、アルニコ5など有ります。磁力の強さで言えば、5が一番強く、3が一番弱く、2はその間となります。

1954年ストラトが出て来た時、そのピックアップはアルニコ3でした。という話です。私は見た訳ではありませんが、そういうことにして話を進めます。
当然全てはアルニコ3の特性からデザインされていました。ストラトキャスター独自のピックアップの位置やスタガードポールピース、ブリッジの材質、たぶんボディの材質などもアルニコ3と関係が深いと思います。
ところが、1957年か1959年ころにアルニコ5に変わりました。 聞いてないよー アルニコ5に変わった結果、出力がわずかに大きくなり、押しの強い音になります。そして少しバランスが崩れていきます。
もう一つの要因、当時はまだピュアニッケル弦しかありません。ピュアニッケル弦はフェンダーでは60年代中頃まで続きます。それに、まだライトゲージはありません。現在使われているニッケルめっきのスチール弦に比べて、このピュアニッケル弦は柔らかい音が特徴ですが、磁石に引っ張られる性質もスチールよりは幾分小さくなります。

注、これは間違いでした。磁石に引っ張られる性質はニッケルも鉄もだいたい同じでした。また、質量が少し違うので、弦の張力は違うようです。詳しい事が知りたい人は、ピュアニッケルの弦で試してください。

この二つの要因、アルニコ3とピュアニッケル弦のために54年のストラトキャスターは何の問題もなく良いギターになりました。この二つの条件の下で合理的に設計されたので当然と言えば当然の結果です。アルニコ5に比べて音が少しおとなしいという点を除いて。とにかく世界が認める名器に違いはありません。
しかし、たぶん時代の要求でしょう、59年ころにアルニコ5に変更され、弦も60年代後半にはニッケルプレートのスチール弦に移行します。この事が、その後のストラトにおける6弦の異常な振動を引き起こしました。と、私はかってに考えました。
この時、フェンダー社にとって主力はジャズマスター、ジャガーです。すでに旧式になったストラトにかまっている暇は無かった? ストラトは改良される事もなく古いままに置かれた。これも勝手な想像です。
ついでに、テレキャスターも創生期にはアルニコ2だったのが、同じくこの時代にアルニコ5に変わって行ったと、これも勝手に想像です。
63年くらいから世界はBeatles になりました。グレッチとリッケンそれに乗じた他社のセミホロウボディは売れまくりましたが、フェンダーはピンチでした。ことにストラトは人気がありませんでした。

そして、ジミヘンです。ジミヘンは天才ですが、彼にこき使われたストラトもすごいなと思います。幾つかの欠点、チューニングが狂うとか、調整がめんどくさい等の欠点を乗り越えて、気がつけばストラトはエレキギターの定番になっていました。以後、多くの名人によって、6弦の異常振動を帳消しにするような活躍が続いて、今に至ります。

しかしジミヘンが使っていたとしても、私の手にするストラトには依然としてこの問題は残っています。問題は6弦だけではありません。他の弦は一見良さそうですが、この影響でサスティンが短くなっています。どうする?

この問題の一つの解決策は、大音量で演奏することです。
ジョークのような話ですが、どうやら本当らしい。
考えて見れば、ジミヘンが始めてストラトに大音量を要求しました。50Wに12インチ8発です。ここまで行かなくても、それまでの普通のバンドで50Wアンプの音量でも十分でしょう。
大きな音で演奏すると、ギターには空気を伝わってスピーカーの振動が到達します。これが弦の振動を助けます。フィードバック奏法まで行かなくても、ギターはスピーカーからの音でドライブされます。
家で小さな音で弾いている時とライブでは音が違う。これは気のせいではありません。実際違います。
このアコースティックのフィードバックは、ストラトの弱点を簡単に補ってくれます。6弦の変な振動は無かったかのようになり、ペンペンと鳴るようなストラトが見違えるようなサスティンになります。
まあ、少し大げさですが、とにかくこれでストラトの欠点はある程度帳消しになりました。
ジミヘンの後に続いたギター弾きたちは、皆大音量のおかげでストラトを満喫したのでした。
おわり

いやいや、それでは困る。
もっと小さい音でなんとか鳴らないか?
そこでアルニコ2です。

アルニコ2については、いろいろな人の解説を読んで、そんなものか、と思っていた段階でした。手元にアルニコ2のロッドがあったので、これでストラト用を作ってみました。このアルニコ2は元はブロードキャスターとか作ってみるか、と計画倒れの在庫でした。
実際にネック用とミドル用を作りました。
知識では、アルニコ2は、アルニコ5よりも柔らかい音でハイが凹んで、音が小さい、こんな感じでした。とりあえず、フォームバー42番で8000回巻き、パラフィンで含浸して、着磁します。
作り方は原始的です。おそらくフェンダーさんが会社の創生期にやってたのと同じような方法です。特殊な機械はありません。でもガウスメーターと巻き線機のカウンターは自作しました。

さて、実際にアルニコ2の音は、素直ないい音です。まず、アンプを通さない時にもフラットトップギターのような素直な生音がします。じゃきーんと鳴ります。アンプを通しても、ちゃんとハイが出ます。当たり前か。太い、抜ける、良い音です。
確かにアルニコ5とは、僅かに違うと言われれば、そうだけど。何も問題ない。現振動が素直になったのがよく分かる。ガウスメーターでもポールピース上面からの磁束密度は小さいことが確認できる。物性ではアルニコ2ではアルニコ5の約60%だが、試作品ではもう少し小さくなっている。まあ、でもこんなもんでしょ。ポールピースの弦の引っ張りが小さい事はサスティンも増すし、一般に倍音もきれいになる。
アルニコ5のように強い引っ張りは、弦の振動はポールピースの位置を節として、フレットとブリッジの間を分割してしまうために、リングモジュレーターのような、音程とは関係のない成分が出てしまう。時にはこれがアタック感のような味付けにもなるが、音楽によっては害にもなる。当然倍音成分やサスティンにも影響を与える。
もう一つ、ピッキング時の弦のフレットへの当たりを考えると、アルニコ5で強く引っ張ることで、音の立ち上がり時の衝撃音が強くなる可能性もある。この辺がアルニコ5がこのまれる遠因かもしれない。勝手な想像である。科学的な裏付けは何もない。

とにかく、ストラトにアルニコ2、あたしは気に入った。出力も言われてるほど気にならない。小さくないよ。なにより勢いに任せてバリバリ、ばきばき弾けるのが気持ちいい。
フェンダーカスタムショップの偉大なおばさんの巻いたアルニコ2ピップアップ・セットの価値も、ごもっとも、と頷けるものであります。ダンカンでもアルニコ2は評判良いようです。


するとだな、テレキャスターのフロント(ネック側)も、アルニコ2がいいんじゃないの?
もっとも、こっちは厄介な金属カバーが付いている。これを取ったらいいんだが、もうテレじゃない?

もう一つの方法、減磁。

ビンテージ・ギターの音が良いのは磁石が弱ってるからだ。というご意見もある。ピックアップの磁力が落ちれば、弦の振動もより自然になる。
確かにアルニコは経年変化で磁力が落ちる、らしい。
という事で実験しました。アルニコ5の磁力を落とせるか?
やったら簡単でした。その方法はまだ秘密ですが、そのうち公開しましょう。
ただし、ピックアップの6本のポールピースを均等に減磁するのは少しこつが要ります。また、アルニコ5の場合、どの程度に落とすのか、この加減も問題です。
減磁して、ほんとに音は良くなるのか????

つづく





nice!(0)  コメント(0) 

Gauss Meter,Tesla Meter [Pickup]

ピックアップを作っていると、どうしても磁石の素性を知りたくなります。近頃ではアルニコの種類やら減磁とかいう処理も話題になっています。これらは感に頼るわけにはいきません。そこで磁力線を見るのがガウスメーターです。ガウスメーター(テスラメーターともいう)があると色々な現象を発見できます。
ネットでも色々売っていますが、1万円以下のガウスメーターと称しているものは磁石の強さは計れません。これらは、交流電界や交流磁界を計るもので、これは使えません。もし買うのであれば、直流磁界の2000ガウス(0.2テスラ)以上のレンジのものが必要です。昔は非常に高価で、会社でも中々触らせてくれませんでした。今でも数万円はすると思います。
そこで自作です。実は今から30年ほど前に秋月電子でガウスメーターのキットを売っていて、それを作った事が有ります。値段は2千円くらいでした。これは働くことはよく働いたのですが、取り扱いが不便だったのでじきに使わなくなりました。このキットは、今はもうありません。
すると、トランジスタ技術2003年6月号ビギナーズ・セクションという記事にガウスメーターが紹介されて、こいつを作って見ましたのが写真のこれです。
gmt9501b.JPG制作費は、忘れましたが、たぶん3千円より下です。これは素晴らしく、今でも現役で働いています。回路も構造も簡単で、多少の誤差や変動はありますが、ちゃんと実用になっています。ちょっと改良(改悪?)してあります。使用部品もホール素子以外は汎用品で、今でも作ることが可能です。
興味のある方は、トラ技のバックナンバーを国会図書館等で見てください。
うるさい方にはこんな自作品が使えるか?と言われそうですが、ちゃんと使えます。測定値はピップエレキバンで確認します。昔のですが、手持ちのものが800±50ガウスと書いてあるので、それを使います。なお、このアイデアは、先述の秋月電子のマニュアルにあったものです。このピップエレキバンを数個測定してだいたい800くらいのカウントなら良しとします。
gmt9501e.JPG
さて、これを使って色々調べます。
つづく

林クラフト ホームページ
http://www002.upp.so-net.ne.jp/hayashi_craft/



nice!(0)  コメント(0) 

Big Roller BR54 [Effects Pedal]

br54-9411e.JPG
2019年4月より発売しました、オーバードライブ Big Roller BR54 です。
始まり
チャンプというアンプはフェンダーアンプの中でも、技術的にも音的にも特別なアンプです。一番安い値段で入門者向けに販売されたにもかかわらず、その独特の個性のために、多くの有名なプレイヤーたちにスタジオで使われました。
50年代から70年くらいまでのチャンプの実力は、無歪み最大出力で3W程度ですが、これは1KHzにおける数値で、低音域ではもっと少なくなります。100Hzでは、1Wを超えたあたりで歪みが始まり、3Wではもう歪みの塊になります。この歪みは真空管アンプの特徴として巷でよく言われるソフトディストーションでは無く、くっきりとしたハードディストーションです。
この独特の歪みがチャンプの快感の大元です。おまけに、クリーントーンと歪みの境目が割とはっきりしていて、ギターのピッキングの強弱やボリウム操作だけで、クリーンと歪みを行ったり来たりできる自由な感じ。快感と自由さがロックンロールそのものです。
ツイード・チャンプから後の銀パネまで、この個性的な歪みがありますが、もっと広くいえば、グヤトーンやテスコ、エーストーンなどの昔の一番安い5極管シングル・アンプも同じ歪みを持っています。
いつかこの快感をペダルにしたいと思っていましたが、今回やっと実現しました。完璧に再現しています。この歪みは、オペアンプやダイオードでは作れません。Big Roller BR54 は、厳選した部品と特別にチューニングされた回路を採用して、5極管シングルの音を再現しました。

BIG Roller BR54 は自由なオーバードライブです。アンプとの相性も自由です。真空管アンプはもちろん、あの有名なトランジスタアンプにも良き助けとなるでしょう。音も自由、操作も簡単なので、リハ無しのセッションなどにも威力を発揮します。

さらに、Big Roller BR54 はエフェクトOFF時のバイパス回路に、バッファ・アンプを採用しました。2008年 TrickGain を発売以来、林クラフトのエフェクターは、全部トゥルーバイパスを採用してきましたが、今回からバッファード・バイパスを採用する事にしました。
このバッファ・アンプはいいです。もちろんこのバッファ・アンプには厳選したオペアンプを採用しました。ギターの音を色づけする事もなく、歪みもノイズも少ない理想的なバッファです。
ギターとアンプを繋ぐシールド線は、長くなると音が劣化します。昨今流行の高級シールド線も長くなれば音が劣化します。これを補完できるのがバッファです。バッファを使うことにより、ギターとエフェクターの間のシールド線の長さだけが音に影響しますが、エフェクターとアンプの間のシールド線の影響は無くなります。

林クラフト ホームページへもどる Hayashi Craft
http://www002.upp.so-net.ne.jp/hayashi_craft/


タグ:BR54
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
前の10件 | -

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。