SSブログ

Alnico5 と Alnico2 その2 [Pickup]

もう少しアルニコ2とアルニコ5について説明しましょう。
下記に実際のストラトピックアップで測定した値を表します。
数値の単位はガウスです。サンプル例は、左から6弦、5弦、4弦、3、2、1弦の順で、+はN極、ーはS極を表します。測定は自作ガウスメーターによります。測定値は正確ではありませんが、相対的な比較は十分に可能です。

gmt9501d.JPG

サンプル1
アルニコ2、ー590、-470、-680、-560、-460、-500

サンプル2
アルニコ2、-640、-480、-700、-550、-440、-490

サンプル3
アルニコ2、+440、+550、+700、+590、+490、+520

サンプル4 少し減磁したもの
アルニコ5、-1130、-1200、-1070、-1080、-1150、1160

サンプル5 サンプル4をもう一度着磁したもの
アルニコ5、-1450、-1420、-1440、-1340、-1520、-1570

いかがでしょうか。けっこう格弦で数値はバラついています。同じ材質で同時に着磁したものでも、このくらいのばらつきはよく有ります。以上のサンプルは全部自作品ですが、メーカー製のピックアップを測定しても同じように数値のばらつきが見られます。
まあ、磁石というものは、こんな物だと思います。

さて、ざっと見て、アルニコ2とアルニコ5の磁力の強さの傾向が分かります。磁石メーカーの資料等から考えると、アルニコ2はもう少し強くても良いのですが、これが実測値なので、まあこんなもんか、と思います。
磁石としての強さでは、アルニコ2はアルニコ5の約半分となります。ピックアップの磁力は、どうしても弦を引っ張ってしまい、この力は弦の正常な運動の妨げになります。この妨げる力が2倍も違うという事は、大きな違いになります。

もう一つ、サンプル4と5の違いです。サンプル4は以前に着磁してあったもので、少し着磁がいい加減でありました。結果としてアルニコ5の減磁されたのと同等になっています。
これを改めて着磁し直すと、サンプル5のようになります。サンプル5の数値は、一般に市販されているアルニコ5を使用したストラト・ピックアップの新品と同等です。
さらに人工的に減磁すると、サンプル4よりももっと小さな値にする事もできます。ただし、あまり小さくすると、今度は磁石としての安定性が損なわれます。実用の範囲で、どのくらいまで弦磁ができるのか、もう少し研究してみます。

以上のデーターは、ストラトピックアップでの数値です。このような磁石が直に弦に向かって露出しているピックアップでは、磁石の材質の違いも直接出てきます。
それに比べると、磁石が露出しないハムバッカーでは少し違う傾向となります。

また、注意しておきたいのは、ピックアップの表面に出てくる磁力の強さは、ピックアップの感度とは、多少の相関はありますが、直接の比例関係には無いという事が言えます。ですからアルニコ5はアルニコ2よりも2倍も磁力が強いですが、ピックアップの感度はほとんど同じです。まあ少し強いくらいです。

つづく


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Princeton65 ModPrinceton65 Mods 2 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。